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『そら、聖子ちゃんやで』
『アホぬかせ
奈保子ちゃんの乳に、まさる乳はない』
『じゃかましい。
そんなこっちゃから、いつまでも、皮かむりなんじゃい』
『やかましい、
この頭まですっぽり君が』
『なに、こら、やるんかい』
『やったらいでか』
『元気やな~ジョッパリ君達』
トミーがお好み焼き《すいれん》にあらわれたのは、洋一誘拐事件から半月たとうとしている時だった。
『金石おる?』
『知らねぇよ』
『あれっ?見ない小坊主やな。
徳山…ちゃんと教育してんのか?』
徳山が金髪頭の小坊主をさえぎり、慌てて起立する
『チャース。ご無沙汰してます。歳三さん。
こいつ、京都から流れて来たばっかで、まだよくわかってないもんで。』
『いや、いいよ…
それよか、金石は?』
『金石さんは、次の帰国船で帰るんだって言って、工事のバイトしてるんす。』
『へぇー、なんでまた?』
『なんでも祖国統一だ。とか言い出して…。解らんですよ、あん人のあたまん中…
もう戻ってくる時間ですわ。』
『そっか。じゃあ、おばちゃん、豚玉二枚。それと、こいつらに、生二杯。』
『アメリカかぶれの癖にええ奴やな…』
小坊主の脳天に、徳山の平手がとんだ。
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