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「ちょっとここで待っててね」
気が付くと雛樹空の転入するクラス、一年二組の前に到着したらしく、千登世は手で雛樹空に止まるよう指示するとクラスの中へと入っていった。
「HR始めますから席に着いてーー」
千登世の声に、教室の中のざわめきが少し小さくなるのが分かる。
朝の連絡を千登世が生徒にしている間雛樹空は暇なので、ドアより二、三歩手前の場所から辺りをぐるっと見回す。
お金持ち学校のわりに、内装は学園ドラマでよく見る言わば「普通」と変わりない。
それでもドアの手すりは金の細工で作られていて、何の違和感もなくそれが景色に溶け込んでいるから不思議なものだ。
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