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本来ここまでいくと執事が学校にいそうだが、全寮制である為、あくまで自分のことは自分でするのだ。
鞄は自分で持つし、靴も廊下に教室にくっつくようにある、縦長で上下二段になっているロッカーから上靴を出して履き替える。
はっきり言って、そんじょそこらにいるお嬢様やお坊っちゃまに比べれば、聖リルリアントに通う者はよっぽどしっかりしている。
まぁそれでも普通の人とは感覚がズレているが。
「築野さん?入っていいわよ」
周りを見ることに夢中になっていると、いつのまにか話は終わったらしく、千登世が教室から顔を出していた。
「どうしたの?具合でも悪い?」
「いや違います」
変な誤解をされては困るので、雛樹空は千登世の気遣いをそっけなくあしらった。
「そう?じゃあ中に入って」
千登世に促されて雛樹空は教室の中へと足を踏み入れた。
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