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  黒板に雛樹空の名前を書く千登世の横で足を止めると、クラスメイトとなる生徒達が座る机の方を向いた。 ざっと見回すと男女別になっている為、教室内には女子しかいない。 聖リルリアントは校則がそんなに厳しくなく、むしろ自由だ。 制服もブラウスと学年指定のリボンとスカートを身につけていれば、カーディガンを羽織ったりアクセサリーをつけるのも自由。 髪に関しても、染めたりパーマをかけても問題なし。 もはや自由と言うより見放されているのではないかと思う。 「さっきも紹介した通り、今日から新しく入る築野雛樹空さんです。築野さん、何か言ってもらえる?」 千登世にそう言われ、雛樹空は何と言おうかと頭を回転させる。 結果 「アタシ雛樹空。 性格が男っぽいから女に見えねぇかもしれないけどよろしくな」 あまりかしこまりすぎてとっつきにくい印象を持たれても困るので普段通りにした。
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