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「あはははっ。瑞妃ってば相変わらずかーーっこいい」
からかうようなにやけた笑みを浮かべると、「瑞妃」と呼ばれた彼女を冷やかす。
「うるせーーよ舞結。殺されたくなかったらちょっとは黙ってろ」
一歩間違ったら後ろに倒れそうな体勢で後ろの彼女へと視線を送る。
彼女はその視線に慣れているのか、特に気にする様子もなくけらけらと笑っている。
すると、笑っていた彼女がふと視線を移し、二人はぱちっと目が合う。
「転校生。
そんな所に突っ立ってないで席に座れば?
あたしの隣だからさ」
彼女は自分の左隣、中央の列の一番後ろを指さして言う。
「あ、あぁ」
半ば勢いにのせられて雛樹空は返事をした。
クラスメイト達の不思議そうに見る視線を浴びながら、机と机の間を通って雛樹空は自分の席に鞄を置いた。
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