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「ああ、よろしく。
アタシのことはヒナでいいから。
雛樹空じゃ長いだろ?」
その問いかけに瑞妃が答える。
「そんなことないけど、それがいいならヒナにしとく。
アタシも瑞妃でいいよ。
って言うか、それ以外だと気持ち悪いし」
「あ、あたしのことも舞結って呼んでね」
三人の自己紹介が終わると、舞結は瑞妃に文句を言う。
「相変わらず瑞妃力強すぎ」
どうやら先程の小突かれた事らしい。
「はぁ?
だから普通だって言ってんじゃん」
「瑞妃にとっては普通でも、あたしにとっては普通じゃないの!!」
「はいはい」
「またバカにして」
口喧嘩になっても、それが本気じゃない事は見れば分かる。
「喧嘩するほど仲が良い」まさにその通りだ。
その光景を見て雛樹空は安心していた。
例の事件によって、同姓同士の仲も悪くなったのではないかと思っていたが、それはないだろうと思ったからだ。
いつのまにか、先程まで千登世がいたのが嘘のように、教室内は生徒達のお喋りで賑わっている。
今すぐにとは無理かもしれないが、少しずつクラスメイト全員と仲良くなろうと雛樹空は思った。
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