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すると、今まで二人の話を聞いていた瑞妃が
「じゃあアタシもう行くわ」
そう言ってどこかに行こうとする。
「あ、そう?
じゃあまたお昼にね」
「ああ。
ヒナもまたな」
「おう……」
ひらひらと手を振って瑞妃は教室を出て行った。
雛樹空の中にはどうも腑に落ちない疑問が残る。
「なあ舞結。
瑞妃はどこ行ったんだ?
もうすぐ授業始まるぞ?」
そう。
いくら瑞妃が千登世を追い出したとは言え、HRの時間が長引いたのは事実。
こうしている今も、時計は授業が始まる時刻へと針を進めている。
そんな中で教室を出ていった瑞妃も、それを全く止めなかった舞結も、雛樹空にとっては不思議で仕方ないのだ。
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