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机の中を覗きこみながら舞結に聞かれ、雛樹空は思いついたような声を漏らす。
「そういやもらったな……」
鞄をあけ、教科を確認しながら探すと見つかった。
「これか」
「見つかった?」
雛樹空が探している間に舞結も見つけたらしく、教科書と筆箱を持って席から立っていた。
「ああ」
「じゃあ行こ」
舞結に言われ、雛樹空はまだあいている鞄から筆箱を取り出すと、鞄を閉じて机の横にかけた。
教室から出る前にもう一度中を見回すと、そう授業が始まると言うのに机から動かない人もいる。
本当に舞結の言った通りだと雛樹空は思った。
「ヒナ?」
雛樹空がついてきていない事に気付いた舞結が、廊下から顔を覗かせる。
「今行く」
雛樹空が教室が出ると、二人は並んで音楽室へと向かった。
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