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「あれ~麗奈が朝から学校にいるなんてどーしたの」
滅多に朝から登校する事なんてない麗奈が私達より先に教室にいたからびっくりして声をかけた。
「ねぇ、あたし好きな人見つけたの…」
麗奈は見たこともないほど真剣な顔で私達に衝撃発言をした。
「えー!?」
「麗奈が好きな人見つけた!?」
「あれれ~外車の彼氏は!?」
「外車のやつは彼氏でもなんでもないわよ。ただ使えるから使っただけ!昨日、本当に好きな人に逢っちゃったの。」
いつも強気な麗奈がほんのり頬を赤らめながら俯いた。
「どんな人~?麗奈ちゃんの好きな人って。」
「…3年の…小宮山蓮。」
小宮山蓮…?ってだれ?
私だけが誰だか全くわからなかった。
「小宮山蓮って、あの有名な?」
「へぇ~麗奈ちゃん、小宮山先輩みたいな人がタイプなんだぁ~」
美園とみほは知っているらしい。
「うん…実は昨日…」
麗奈が昨日保健室で寝ていると、小宮山蓮って人と生徒会長が保健室に来て先生を探していた。
先生は出張でいなくてその事を知らない2人はしつこく先生を呼んでいた。
始めはシカトしていた麗奈だったがあまりに五月蝿かったので先生は出張でいないと伝えた。
よくわからないが、生徒会長が足をくじいたらしい。小宮山蓮って人は麗奈にお礼を言い、本当に生徒会長を心配しているようで湿布やら、テーピングやらをしてあげて保健室を出ていった。
しばらくすると小宮山蓮って人が冷たいお茶を持って戻ってきて、
「さっきはありがとう。でも眠いからって保健室に入り浸ってたらダメだよ!眠気覚ましにお茶でもどうぞ。君、1年生か2年生だよね?ちゃんと授業には出席するように!じゃぁね~」
と言って出ていったらしい。
「あたしの事見て誰だかわからない人がこの学校にいたなんてありえない。しかも、あたしを注意したんだよ?優しくされるのは慣れてるけど注意なんてされたことないから……」
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