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「いや、いいよ。」
そう言うと黒瀬はタバコの火を消し、ベッドから飛び降りた。
「俺とお前の仲じゃねぇか!あんまりクヨクヨすんじゃねぇよ!!」
黒瀬は笑いながら赤星の背中をはたく。
「…って…!」
赤星が左肩あたりを右手で押さえる。すると、黒瀬が軍服に着替え出した。
「お、おい、行くのか…?」
赤星が少々慌てながら黒瀬に言う。
「行こうって言ったのはお前だろう?それに久しぶりにお前の母さんが作った酒も飲んでみてぇ!」
黒瀬が子供の様に無邪気に言った。
(…それだけが目的じゃねぇくせに…。わざわざ別の理由なんかつけやがって。やっぱりお前…)
赤星が心の中でそう呟いたが、声には出さない事にした。
「何してんだ?お前もさっさと着替えろ!久しぶりの休暇だ!無駄にしてたまるか!!」
黒瀬が急かすように言う。
「………へェへェ。」
赤星が微笑し、軍服に着替え出した。
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