■学園内大会本選前

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「ラスター、上出来だったよ」 あの後、リリスに「本選は明日からだから、ホテルに一旦戻ろう」と言われて、二人は帰宅した。 そしてリビングに入るなり、カインが開口一番に告げたのだ。 「エイテル先輩に惨敗だったけどな」 ラスターは自嘲しているが、カインは満足そうに笑っている。 「相性ってもんがあるからね。それにまだ一年だから大丈夫さ」 「ああ……、ありがとう」 ラスターは素直に受け入れ、お礼の言葉を言った。 本選突破の目標を達成できたことに喜びながら。 「とりあえず、明日に向けて今日は休み」 「あ、後、本選はチーム戦だから」 アミティエの言葉にリリスは頷くが、ラスターは目を丸くした。 聞いていない。 教師も、アナウンスも、カインも教えてくれなかった。 「え?チーム戦なのか?」 「うん。24人居るから、六人の四チームを作るんだ」 ラスターは「なるほど」と言って、頷いた。 つまり、 「てことは、この四人でも組めるんだな!」 ラスターが言うと、リリスは笑顔で「うん」と答えた。 その事実は、二人にとって心強く、優勝を狙えるんじゃないかと錯覚させるほどだった。 しかし、二人は、カインが怪しく笑ったのに気付くはずがなかった。 「さ、今日は休もうか。じゃあ……おやすみ」
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