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試合が終了し、観客席に六人が腰を下ろした。
そして、アルスは柔らかく微笑むと。
「皆さん、お疲れ様です」
やけに嬉しそうな声で言った。
誰もがゾクリという悪寒を覚えてしまうほどだ。
はぐらかすように、シオンが言葉を紡いだ。
「つ、次はカインが来るだろうな」
「そうね。これは作戦を練るべきかしら」
「カインとアミティエは常時二人行動ですからね」
「こっちは三人でぶつけにいくか?」
レイナとシオンとアルスが作戦会議が始まると、他の三人は巨大水晶に目を向けた。
そして数分後、アナウンスが響きわたる前に、リリスが言った。
「あ、カイン先輩の試合が始まりますよ」
リリスがそう言うと、五人は試合会場の方に目を向けた。
そして視界に移る光景を、シオンが代弁する。
「フィールドは平地、陣形はカインとアミティエに他四人は前線か」
ラスターは注視していた。
訓練の時も、カインの本当の実力は見たことがないからだ。
ラスターはさっきから興奮が収まらぬ心中で、ただひたすらに、戦いを楽しもうとしていた。
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