■学園内大会本選

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試合会場では、ウィルスとカインが剣を交えていた。 弾いては振るい、避けては振るう。 一見、均衡を保っているように見える。 しかし、、アミティエは翼で上空に舞い上がり詠唱を始めていた。 ウィルスの仲間は、カインにあっさりと一蹴されてしまった。 その詠唱を止める術がないと、ウィルスは焦っていた。 「ど、どけえ!」 「どいても先輩は魔法が使えないから、迎撃できませんよ」 ――こいつ、僕のことを知っていたのか!! にやりと笑うカインに、ルイネは顔を歪めた。 そう、ウィルスはほぼ詰んでいる。 「くそぉッ!! 僕はこんなところで……! 二年なんかに!」 焦りのためか、剣技が雑になっている。 その隙をカインは見逃さなかった。 低空の蹴りで相手の足を払い、体制を崩すと―― 「壬(みずのえ)」 そこに剣を振り上げた瞬間、水柱が噴き出した。 一度上空に飛ばされたウィルスは、そのまま重力によって地面に打ち付けられた。 「…ぅ……う……」 「――明光の鉄槌、断罪のごとく下す」 呻き声を上げるウィルスに、アミティエの詠唱が無慈悲にも響いた。
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