■学園内大会本選

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  光のマナが圧縮される。 金色の魔方陣がウィルスを捉えると、 「――セリカ!」 金色に輝く魔方陣に、光の鉄槌が落とされた。 目が痛くなる輝きを放ちながら、レーザーのように伸びている。 光が収まると、地面は綺麗な円形を描いて焼けていた。 光の初級魔法――セリカ。 初級魔法の中では最も威力が高いと言われてはいるが、扱いにくいとも言われているはずだ。 しかしアミティエの放った セリカは、呆然とするウィルスの周りに落ちただけだった。 無事ではあるが、カインの大剣が向けられている。 「こ……降参する」 やむ終えまい。 そう呟いて、ウィルスは両手をあげた。 『試合終了! Aチームの勝利です』 その瞬間、アミティエの羽が意思とは別に消えてしまった。 地面へと投げ出されるアミティエに、観客席のラスターは小さな悲鳴を漏らしていたのだが。 それを予め察していたカインが、落下地点に落ちてきたアミティエを抱き抱えた。 ――お姫様抱っこで 「あの二人は……絶対に付き合ってる」 ラスターがそれを見て、なぜか恨めしげに呟いている。 アルスは楽しそうに笑っていた。 「見せつけますねぇ」 「あれが大人の恋ってやつ!?」 「リディア。貴女の方が年上ですよ」 アルスの言葉に、見た目は15才ほどのリディアが頬をふくらませる。 「ちくしょう……っ!レイ……」 「いやよ!」    「ま……まだ何も…」 レイナはシオンの言動を事前に察し、遮った。
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