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「さて、どうするか」
シオンの赤く腫れ上がった頬が、唇と一緒に揺れる。
「間違いなく、カインとアミティエは二人で行動するでしょう」
「そこはやっぱり、私とシオンで行くべきかしら?」
「はい。でなければ太刀打ちできません」
「ああ。レイナちゃんは俺が守る!」
アルスの言葉に、シオンは真剣な表情で頷いた。
美形なシオンは、それだけで魅いってしまうほどなのに。
「だってレイナちゃんは……おぶぉっ!」
なぜか、かっこわるい。
「私は、リディアと後方支援に回らせて頂きますね」
「援護と回復は任せてね!」
ぴょんぴょんとリディアが跳び跳ねて、アルスはニッコリと微笑んだ。
「リリスさんとラスターさんは、二人で前線をお願いします」
「わかった」
「わかりました」
二人の頷きを、アルスは満足そうに見ていた。
「基本的に、カインさんとアミティエさんを、シオンさん達が抑えてる間に、私達が他の四人を殲滅します」
終わり次第、全力で片付けるということだ。
しかし、ラスターはほんの少し不満があった。
内心では、カインと全力の勝負をしたかったのだ。
「以上です。では、今日はゆっくりと休んでください」
決勝戦の前には空きがある。
六人が各々動くなか、ラスターはシオンを呼び止めていた。
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