■学園内大会本選

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しばらくの時が過ぎて、辺りは夕暮れとなっていた。 ラスターとシオンは芝生に寝転んでいる。 「シオン先輩」 「……ん?」 「どうして、レイナ先輩が好きなんですか?」 「不思議な質問だな」 シオンは苦笑いを浮かべて、ラスターも「確かに」と呟く。 「ただただ好き。ってわけじゃなさそうでさ……」 「……レイナちゃんは……俺を」 「え?」 シオンの声は風によって遮られ、聞こえなかった。 「ただの一目惚れだよ」 シオンは、笑顔で言った。 しかし、それは作り笑顔だと容易にわかった。 「そっか……」 「そろそろ夜だ。宿に戻ったほうがいいぞ」 シオンの言葉にラスターは相づちを打って立ち上がると、歩き出した。 「シオン先輩。今日はありがとう」 「どういたしまして」 ラスターは軽く一礼をして、帰路を行く。 「……俺の命は、あの日に」 誰も居ない草原に響いた声は、悲しさを滲みだしていた。
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