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翌朝、ラスターは早めに起きて剣の手入れをしていた。
カインに譲り受けたフランヴェルジュの使用が許可されたのだ。
「感心だね。元持ち主としては嬉しいかぎりだ」
「ああ、おはよう。カイン」
まだ完全に眠気が覚めていないのか、カインの声は抑揚にかけていた。
カインは波立つ炎の刀身を、ジーッと見ている。
そんなカインに、ラスターは唐突に宣戦布告した。
「今日は負けない」
「……あはは、こっちの台詞だね」
カインとラスターはニッと笑い、剣の手入れを中断させてリビングに向かった。
アミティエとリリスは、既にリビングで待機していた。
朝食はラスターが用意しておいた。
「さて、無事に四人で決勝にいけたね」
「正直、予想もしてなかったよ」
カインの言葉を、アミティエが引き継いで笑う。
どういうことだ、といわんばかりにラスターは詰め寄った。
「絶対大丈夫って言ってたよな?! ……いや、まあ俺達も予想外だったけどさ……」
「……ほとんどまぐれだよね」
「これから戦うのに、変な感じだよ」
アミティエの発言は、三人も同意だった。
こうして談笑していることが可笑しいのだろう。
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