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ラスターとリリスは、数少ない平地で止まった。
地形的に有利という意味ではなく、二人の前に相手がいるからだ。
そこには太刀を持っている金髪の少年と、弓を構えている少女が立ち塞がっていた。
「やあ、ラスターにリリスさん」
「あれ、君って……俺と同じクラスの……」
「そう、リック・マグニス。こちらは先輩のセレナーデさん」
セレナーデと呼ばれた少女は、依然としてこちらを睨みつけている。
額に赤い帯を巻いた金髪の壮年は、太刀をぶんぶんと回し出した。
あんなに軽そうに振り回せるものなのか疑問だ。
「同じ一年として、実力を見たくてさ。……さあ、いくぜ!」
言うや否や、リックが飛び掛ってきた。
リリスは後ろへ跳んで避けると、すぐに銃を構える。
「……いきなりかよ!」
ラスターは双剣を抜いて、リックの太刀を受け止めていた。
両腕で支えるのもやっと――いや、受け切れない!
腕の筋肉が悲鳴をあげた瞬間、ラスターは勢いよく後ろへ跳んだ。
そこに、セレナーデの弓が放たれる。
弓は曲線を描きながら、ラスターへと到達する――前に、リリスの射撃により撃ち落された。
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