■学園内大会本選

26/45

42229人が本棚に入れています
本棚に追加
/709ページ
ラスターとリリスは、数少ない平地で止まった。 地形的に有利という意味ではなく、二人の前に相手がいるからだ。 そこには太刀を持っている金髪の少年と、弓を構えている少女が立ち塞がっていた。 「やあ、ラスターにリリスさん」 「あれ、君って……俺と同じクラスの……」 「そう、リック・マグニス。こちらは先輩のセレナーデさん」 セレナーデと呼ばれた少女は、依然としてこちらを睨みつけている。 額に赤い帯を巻いた金髪の壮年は、太刀をぶんぶんと回し出した。 あんなに軽そうに振り回せるものなのか疑問だ。 「同じ一年として、実力を見たくてさ。……さあ、いくぜ!」 言うや否や、リックが飛び掛ってきた。 リリスは後ろへ跳んで避けると、すぐに銃を構える。 「……いきなりかよ!」 ラスターは双剣を抜いて、リックの太刀を受け止めていた。 両腕で支えるのもやっと――いや、受け切れない! 腕の筋肉が悲鳴をあげた瞬間、ラスターは勢いよく後ろへ跳んだ。 そこに、セレナーデの弓が放たれる。 弓は曲線を描きながら、ラスターへと到達する――前に、リリスの射撃により撃ち落された。
/709ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42229人が本棚に入れています
本棚に追加