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「おら! 逃げてばっかじゃダメだぜ!」
荒々しい口調にハッと目を向けると、リックは回転するように太刀を巻き上げた。
目的は目くらましか。
砂煙の奥から、次々と弓が飛んでくる。
「こんなも……!」
「ハハッ!」
襲いくる矢を斬りおとし、砂煙から抜け出そうとした瞬間。
砂煙を吹き飛ばして、乗り込んできたリックは太刀を振りかぶっていた。
「ちっ!」
しかし、銃声の音にリックは急旋回した。
体を捻ることで、銃弾のぶつかる位置を避けたようだ。
(くそっ! 同じ一年に……負けるかッ!!)
ラスターは双剣を構えると、床を蹴った。
リリスの援護はあまり期待できない。
セレナーデの弓矢は魔力から形成され、ただ引くだけで速射できている。
リリスはそれを撃ち落し、銃弾を充填しなければいけないし、得意の魔法やモンスターも使えないだろう。
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