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一方で、ラスターとリリスは苦戦していた。
ラスターの機動力を生かして攻撃を仕掛けるが、リックにその全てを捌かれてしまっている。
リリスに至っては、弾数も段々と失っていき、長くは保てない状況だ。
悔しそうに、ラスターは剣を振るっていた。
「……同じ一年なのに、悔しいなぁ……!」
「くくく、仕方ねーよ。俺は強いからな」
悠々と双剣を受け止め、ニヒルな笑みを向ける。
繰り返される斬撃に、刀身と刀身がぶつかり合う。
最後の一撃。
互いに剣をぶつけ合うと、その衝撃を利用して、ラスターは後ろに飛びのいた。
「……リリスあれをやろう!」
「うん……わかった!」
「あん? なにする気だ」
リックも警戒したのか、様子を見るべく距離をとった。
セレナーデの弓を、ラスターが斬りおとしていく。
「フランヴェルジュの能力解放“極炎”」
その瞬間、ラスターの右手のフランヴェルジェが光輝き、炎の竜巻が巻き上がった。
竜巻のようにリック達を襲い、そこで停滞した。
「なんだこれっ!」
リックとセレナーデは後ろへ跳び、炎を避けようとする。
そこにリリスの詠唱が響き渡った。
「真空の壁、大気の断絶! ヴォート!」
緑色の光が、二人の真下で輝く。
気づいた時には遅く、リックとセレナーデの周りには透明な壁のようなものができていた。
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