■学園内大会本選

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  あらゆる空気の流れを断絶する空間。 透明な壁に包まれた中の炎が、酸素をなくして、煙をあげながら消えていく。 「空気が……無くなる……」 「窒息させる気か!?」 セレナーデの言葉に、リックが叫んだ。 そして少ない空気を一気に吸い込み、リックは太刀を握り締めた。 「……ふぅー、こんなもんっ!」 「待って……!」 セレナーデはリックを止めようと叫んだが、それはリックには届かなかった。 爆ぜるように振るわれた太刀は、真空の壁をあっさりと砕いた。 しかし、真空の壁が壊れた瞬間―― 「ぐあぁぁぁぁああああっ!」 耳を劈くような爆音と共に、リックの悲鳴が聞こえた。 透明な壁が壊れた瞬間に、二人の周りが爆発したのだ。 「……っぉ……なんだ……これ…」 「バックドラフトって知ってますか?」 「……?」 リリスの言葉に、リックは答えれなかった 「密閉空間では酸素に限りがありますから、火は消えますよね?」 リックは既に口を開く気力も無く、耳だけをかしていた。 「その時は火は完全に消えてないんです。でも真空空間が壊されて、一気に大量の酸素が送られると……爆発的に炎が膨れ上がるんですよ」 リリスは笑顔で言うと、リックは笑った。 「戦術……か。負けたよ」 そう言うと、リックは意識を手放して目を閉じた。
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