■学園内大会本選

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  「魔法か……っ!」 ぎりっと悔しそうに歯を噛み締めて、シオンは辺りを見回す。 二人の姿の代わりに、マナの集う感覚が得た。 「なっ……遠いっ!」 いつの間に移動したのだろうか。 シオンが叫んで、二人のほうを妨害しようとした。 しかし、途中の道が崩れている。 間髪いれずにレイナは詠唱を始めていた。 「――無光なる最果の境界」 「――聖なる加護よ」 やはり、アミティエのほうが詠唱は早かった。 それでも止まるわけにはいかない。 二人の詠唱は、抑揚の欠いた声で淡々と紡がれていく。 「――その狭間に彼らを導け」 「――我が意思に従い、盾となれ」 シオンとレイナの真下に、白い魔方陣が重なっていた。 白い光が輝きながら、二人を包み込んだ。 ――アミティエの方が早かった。 カインはその事実に唇を歪めている。 そして詠唱が完成し、光は拡散した。 「――セティプリズム!」     「――ルミナプロテクション!」 シオンとレイナは、プリズムの上半分を切断したようなものに閉じ込められた。 そこに割り込む形で、シオンにレイナの放った光の壁が形成される。 しかし、それが間に合ったのかはわからない。 プリズムの中に光の奔流が噴きあがったのと、ほぼ同時だった。 ――光の噴火が収まると、そこにはレイナが地面に倒れる姿があった。 対してシオンは無傷のようだ。 プリズムが消えた瞬間、真っ直ぐにレイナの元に駆け寄った。
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