■学園内大会本選

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「レイナちゃんっ!?レイナちゃん!」 「よかっ……た。無事なの……ね」 ――許さない。 その無理矢理作ったような笑顔に、シオンは瞳孔を開き、怒りに震えていた。 涙が溢れそうになる。守れなかった自分を殴りたくなる。 ――シオンは狂いそうになる自分を必死に抑えていた。 「レイナちゃん……俺のために……」 あの時間からして、自分とシオンの防護壁は作れなかった。 シオンの泣きそうな声に、レイナは苦笑いを浮かべた。 「ち、違うわよ……。シオンが……リーダーだ……から……」 そう言うと、レイナは意識を手放した。 ――ああ。 シオンはレイナの体を優しく抱き上げ、後ろの方に寝かせようとした時。 そこにアルスがやってきた。 「シオン、レイナさんはお預かりします」 「頼む」 レイナをアルスに渡すと、シオンは振り返ってカイン達を睨む。 ――ああ、許せないよなぁ……。 「……やれやれ、本気ですか。私達は避難しますよ」 アルスが最後に見たのは、シオンの鋭い眼光だった。 恐怖という言葉を、その目に宿らせているようだ。 震え上がりそうになる眼光は、矛先をゆっくりと変えていった。 「残りはシオン先輩だけです」 カインは大剣を構えて、歩み寄ってくるシオンに告げた。 シオンは何も言わず、ただただ、睨み続けている。
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