■学園内大会本選

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光を失った虚無の瞳が、矛先を捉える。 蒼く鋭い眼光が、周囲の空気を凍らせた。 それに気づいたカインとアミティエは、ビクリと震える。 ――あまりにも露骨な恐怖の具現。 「レイナちゃんを傷つけた」 低く重々しい声で、シオンは言葉を紡ぐ。 スッと掲げた右手に、周囲のマナが集っていき、光を放ち始めた。 その光が何かを形成していく。 形成されたものは――銀色に煌く槍。 「どれだけの罪かわかってるんだろうな?」 鈍く輝く槍を突きつけて、"氷の悪魔"は睨んだ。 「エンシェント・ウエポン!」 その言葉に会場がざわめき、教師陣も何かを慌てたように会話を始めた。 筋骨隆々とした一人の教師は、「あのバカ……使うなと言ったのに……」と呆れるように呟いている。 当然だ。 古代の魔法を扱える者が学生にいると誰が予測できたか。 「我がルーンの名の元に形成せよ  ――thorn【氷の悪魔】」 シオンの手には、銀色に妖しく輝く槍が、はっきりとした姿を現した。 「魔槍・グングニル」 槍の名を確かめるように呟く。 その槍をしっかりと握りしめると、矛先から冷気が滲み出した。 氷のように鋭く冷たい眼光と、鈍く輝く矛先が、空間そのものを呑み込むようだ。 挿し絵:龍鬼里渡様image=234893154.jpg
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