■学園内大会本選

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  「すげぇ……やっぱりすげぇ!」 ラスターはシオンの実力に見惚れ、その目を輝かせていた。 一つ間違えれば、それは狂気を孕んだような目だ。 「それよりも、一年生で優勝とは良かったじゃないですか」 そう、名目上だが二人は一学年での学園一番になったのだ。 しかし、アルスの淡々とした言葉に、二人は素直に喜びを示さなかった。 「どうしたの? 嬉しくないの?」 リディアが不思議そうに言うが、それは意地悪だったのかもしれない。 内気なリリスと、負けん気の強いラスターに対してなのだから。 「いえ、ちょっとは嬉しいけど、私達なにもしてないので……」 「俺は勝った気がしない。……戦績をみてもさ」 「良いじゃないですか。勝ちは勝ちです」 「でも」 「それよりも、心配の方が先ですよ?」 アルスの発言に、二人は首を傾げた。 「はぅ。だって、一年生で優勝したんだよ? ある意味、学園で一番目立ったわけ」 「晴れて有名人、教師の期待は強まり、校内でも一目置かれる存在だ。ああ、素晴らしいですねぇ?」 その言葉に、ラスターとリリスは「ええぇぇぇええっっ!!」と叫んだ。 困る、それは困る。 特にリリスは焦っていた。
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