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「私達はまぐれで……!」
「ダークドラゴンなんか出しちゃいましたよねー」
「俺なんて決勝では……」
「予選でフェイトに勝ちましたよねー」
アルスは、満面の笑み――いや、ニッコリと黒笑を向けた。
弁解も弁明もできない。
晴れて二人が有名人になることに、アルスは拍手を送っていた。
『勝者チームの皆様はこれより、別の場所にて表彰を行います』
「表彰? 校長も見てたのか……(ていうか校長いたんだ)」
「知らなかったのですか? 王立騎士団人選委員も来ていますね」
「えっ!? この大会って、そんな規模がでかいのか?!」
リリスは更に落ち込んでしまい、ラスターは驚きと嬉しさに声を荒げていた。
王立騎士団人選委員は、優秀な人材を王都直属の騎士団に推薦できる機関だ。
あくまで推薦という形だが、学園に四年間通って得られるか得られないか、という大切なことだ。
『準備が整いましたので、選手の皆様を移動させます』
アナウンスが鳴り響いた後、六人は平衡感覚を失った。
もうこの感覚にも慣れたな、とラスターは苦笑している。
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