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「別に……変わった所は無いよな」
ラスターは目の前に建つ店を見て呟いた。
高級な店とも見れるが、目立つものは感じられない。
「そうですね。一般的です」
「そうね……。シオンにしては珍しいわ」
「ほんとだね。去年は変な料理の出てくる店だったのに……」
「……モンスターの和え物とかでてきたな」
「でも美味しかったよねー!」
アルス、レイナ、リディア、カインと繋がる不吉な発言を、アミティエが明るい声で惑わした。
モンスターの和え物。
その言葉は、二人にとって衝撃的な料理名だ。
「大丈夫大丈夫! 今回はいいとこだって」
「今度はモンスターのからあげとか!」
「……俺、帰ろうかな」
カインが怖気付くのも無理はない。
そんな不安をかき消すように(かき消していないが)、シオンは微笑んだ。
「さあ、入ろう!」
有無を言わす前に、シオンは先頭に立って店内へ歩き出した。
そして、八人と告げてしまうのだった。
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