■紛れる闇

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  「おお! シオン君じゃないか!」 「久しぶりです。おやっさん」 「あら、シオン君。今日はお友達とお食事?」 「はい。祝勝会を兼ねて」 「ああ、おじさんも見たよ。二年連続おめでとな!」 「ありがとうございます」 店に入るなり、店主やテーブルに座っていた客がシオンに話しかけていた。 常連客なのだろうか? 普通の人がいるなら大丈夫だろう、と思ったのがリリスとラスター。 常連という現実に眉根を寄せたのが他一同。 シオンは「先に料理を頼んでて」と告げるなり、他の客の方へと挨拶に向かった。 それからテーブルについた七人は、メニュー表を手にとって相談を始めている。 そんな中、ラスターが通りがかった店員に声をかけた。 「すいません」 「はい、ご注文が御決まりですか?」 「いえ、変な質問なんですけど、あちらのシオン先輩は……どうしてあんなにも知り合いが多いのかわかりますか?」 学生が、どうして年配の方々達と交流が深いのか。 ラスターの答えに、店員は笑顔で返した。 「シオンさんは、この街の味方ですから」 「街の味方?」 「はい。毎日ではないですが、学園が終わった後に、この街へ来て色々としてくれるんです」 「色々? 店の手伝いとかですか?」 んーっと考え込むような素振りを見せて、店員は言葉を濁していた。 「手伝いと言うより救済ですね……? いえ、手伝ってもくれるんですけど」  
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