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「そう! おやっさんに頼んどいたんだ! この日のために!」
写真を見ると、ジョッキのような容器に入った、桃色の液体と、同色でハート型のアイスが添えられている。
そこには二股のストローが一つ。
説明文にはこう書かれていた。
『当店オススメ商品!
顔がチョーギリギリまで近づくように設計された二股のストロー!
恋人と一緒に甘い一時を――。
※期間限定! ○ッ○ー増量』
――うわぁ……。
一同はドン引きだというのに、シオンは陽気に語り出した。
「いやあ、これすごいよなぁ。すっごくおいしそうだよな。しかも今しか食べられないんだぜ?」
「チラチラと私を見ないで……」
「……一応聞くけど……どうしたいの?」
アミティエはこの空気を察して質問すると、いい質問だ! と言わんばかりに、シオンは満面の笑みを見せた。
そして、びしっとレイナを指差す。
「勿論! レイナちゃんとチョーギリギリまで接近して、それに乗じてキ……おぶぉっっ!?」
回し蹴りという返事に、あえなく玉砕。
泣きながら倒れるシオンを、一行は苦笑いで見守っていた。
「シオン先輩はシオン先輩だな」
「あはは。そだね♪」
ラスターの言葉に、リディアは頷いた。
シオンは一瞬にして、尊敬と、上昇していた株を一気に崩落させたのだ。
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