■授業とパートナー

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  教師は教壇から降りると近くの生徒に「ちょっと借りるぞ?」と言って、剣を借り、また教壇に戻った。 そしてその剣を、生徒たちに見えるように掲げる。 「例えば、剣。  この剣が術式。  そしてそれを動かす筋力が魔力(マナ) 当然、剣を振り続けると疲労する。魔力も同じだ。 剣も不十分で壊れかけだったら威力を発揮できない。 術式も同様で、不十分なら効果は半減するし発動しない」 なるほど、と頷く生徒達を見て教師は満足そうに笑った。 「さて、魔法にも当然段階という物がある。これならば聞いたことはあるよな?」  教師の言葉に生徒達は特に反応を示さなかったため、説明を続けた。 「初級魔法、中級魔法、上級魔法、最上級魔法だな。他にも魔法を独学で編み出す者も居るが……この学園では限られてるな」 教師は悲しそうに呟いた。 “この学園”ということは、王都や魔科学都市ならば多数いるのかもしれない。 「上級魔法については、この学園に使える者は3名ほどだ。これは他の学園(アカデミー)もそうだろうな。もちろん使用に制限はあるが」 上級魔法は、これが使えれば魔法使いと名乗れる、なんていわれるほど難しい魔法だ。 その威力は凄まじく、人間兵器とまで呼ばれるかもしれない。 しかし、詠唱はできるものの、魔力が足りなくて発動できないことが多い。 「まずお前らは初級魔法からだな。ここまでで何かあるか?」 「先生、質問があります」 教師の言葉に、早速質問がでた。 声の発生源はラスターの後部座席からだ。
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