第二章 ―信念、想いと共に―

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  「これは予想外でしたね」 溜め息混じりに呟いたアルスだったが、その顔には焦りは見えない。 そこには学園大会の八人が集まっていた。 「全くだ。ま、そんな訳だから、パッパッと戻ってくるさ」 シオンも、そう言って笑う。二人はあくまで冷静だ。 戦場という常識の通じない場所は、経験者ですら油断すれば命を落としかねない そこに一介の学生が義勇兵として参戦する。 二人はあまりにも冷静すぎた。 そんな中、カインが前に歩み出て、手を差し出した。 「シオン先輩、死ぬには早いんだから生きなよ?」 「当たり前だ。変なこと言うなよ……」 「アルス先輩も、彼を頼みますよ」 「任せてください」 交互に握手を交わして、カインはフッと微笑した。 入れ替わるように、アミティエが二人の肩を後ろから叩いた。 「二人が死ぬなんて思ってないから、帰ってきてね。そしたら服選び手伝ってよ」 「心配はなしかよ」 「貴女らしいです」 今度は横からリディアが、並ぶ二人の中心に抱きつくように飛びこんだ。 医療学科のリディアは、前線に出ることはない。 「アルスもシオンも頑張ってね! 死んだら恨むから!」 「え、縁起悪いな……。うらまれないようにするさ」 「御安心を」 二人の言葉に、リディアはニッコリと笑って離れた。
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