第二章 ―信念、想いと共に―

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  二人の前に立ったリリスは、祈るように胸の前で手を合わせた。 「大切な人のためにも生き延びてくださいね? 石にもひれ伏す思いで!」 「ひれ伏すのか!? は、這いつくばって、だな」 「帰ってきたら諺の辞書でも貸しますよ?」 二人の笑い声に、リリスは顔を真っ赤にして逃げた。 その横から、ラスターが入れ替わり、軽く二人の腹を拳で打った。 「シオン先輩、帰ってくるまでに……俺は貴方を超えて見せます。だから、帰ってきてください」 「それは楽しみだ。必ず帰ってくる」 「アルス先輩、帰ってきたら魔法のコツを教えてください。だから……」 「わかりました。必ず帰りましょう。ですが、私は厳しいですよ?」 ラスターは満足そうに微笑み、二人から離れた。 そして道を開けるように、カインやリリスを押しながら横に進んでいく。 ひとり、レイナはその場に立ったまま二人を見ていた。 「アルス先輩。貴方は数少ない本音を話せる人物です。また、色々と相談に乗ってくれないと困ります」 「ええ、私でよければ、いつでも」 シオンが嫉妬しそうな話だ。 実際にむくれているシオンに、レイナは向き直った。 「指輪の誓い、覚えてますよね?」 「……あ、ああ。それが俺の忠義でもあり、愛だから。そうだろ?」 その言葉に、レイナは満面の笑みで応えた。 愛は違うけどね、と追記して。 「今日は解散しようか。それぞれ思いもあるだろうしね」 珍しくカインが仕切っていた。  それぞれが移動する中、学園大会のように、ラスターはシオンを引き止めた。 「シオン先輩。お願いがあるんだ」
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