第二章 ―信念、想いと共に―

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  勝敗は決した。 シオンの打撃は捌けるようになった。 氷の魔法はフランヴェルジュで跡形もなく溶かした。 でも―― 「負け……たのか」 完全な敗北だ。 悔しそうに呟いたけれど、ラスターは清清しい気分だった。 「いけると思ったのになぁ……」 「いや、ビックリだった。……短期間で、ここまで強くなってるなんてな」 手甲を放り投げながら、シオンは嬉しそうに微笑んだ。 なぜ嬉しそうなのかは、ラスターにはわからなかった。 「絶対に死ぬなよ。次は勝つんだからな?」 「ああ、帰ってくる。レイナちゃんとの誓いもあるしな」 シオンの左手の人差し指には指輪がある。 赤い宝石ガーネットの高級そうな指輪だ。 それを見つめながら、ラスターはさっきの会話を思い出した。 「指輪の誓いって……? ちょっと興味あるな」 「ははっ……ああ、いいぜ。仕方ないから、みんなに俺とレイナちゃんの……愛の記録を教えてやろうか」 冗談のように言ったはずなのに、シオンの声はどこか陰りがあった。 しかし、数瞬の後、シオンはその声がなかったかのように明るい声で叫んだ。 「よし! 今からみんなを集めるか!」   「え、今から?」 「ああ、話したくてうずうずしているんだよ」 「ははっ……」
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