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「悪いな。ラスター、騙しちゃって」
ラスターは苦笑しながら、首を振った。
カイン達の家に、レイナとアルスを除く全員が集まっていた。
レイナとアルスは、どうやら食事をしに行ったらしい。
そして全員を集めたところで、シオンが話したのは指輪のことではなく、戦争についてだった。
「実は今回の戦争について話すことがある。――これについてはカインから聞いたんだけどな」
カインを見ると、笑みを崩さずに頷いた。
なぜ、シオンに言わせているのかはわからない。
「結論から言えば、この戦争自体は陽動だ。本当の目的は《古の鍵》と《神の器》を狙っている」
聞き慣れない単語に、カイン以外の人物は首を傾げた。
「古の鍵に神の器……?」
リディアの頭上に疑問符が飛び交う。
突然の話に、ラスターとリリスも首を傾げる状況だ。
「ああ、戦争と称して、一部の人数で攻め込んでくるはずだ。始まりの塔と言われる《マナの塔》へ」
「えーっと、……《マナの塔》って普段は騎士さんが管理しているんですよね?」
「リリスの言うとおり、普段はな」
「まず根本的なとこから。古の鍵ってなに?」
ラスターの質問に、シオンは肩をすくめた。
「古代の魔導兵器の鍵だ」
「古代の魔導兵器……?」
「ああ、下手したらセレスティア国が一発でぶっ飛ぶ」
それこそがぶっ飛んだ発言だ。
ラスターとリリス、リディアは身を乗り出して驚いていた。
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