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「まぁ文献に、カインの話を聞くに、あまりに巨大すぎる威力に封印はされたんだけどな……」
「そんなのが誰かの手に渡ったら……」
「けど、それを動かすには《神の器》が必要だ。これについては全くわからないからな。向こうも打つ手なし、らしいぜ?」
そうだよな? という視線に、カインは頷いた。
一先ずは安心だが、それでも安心しきれない状況である。
「そして、戦争による陽動で、敵の精鋭部隊が《マナの塔》へ向かう」
「その精鋭部隊ってのは何人なの?」
「四人、デストロイ帝国四聖だ」
その言葉にラスターは安堵の息を漏らした。
「なんだ、四人なら大丈夫だろ」
「無理だよ」
隣にいたアミティエが、弱弱しい声で呟いた。
「ラスター。四聖は一人一人が古代魔装を使えるんだ」
その言葉に、ラスターは驚いた。
簡単な計算でいけば、シオンを四人相手にするのだから。
なぜアミティエがそれを知っているのか。
そんな疑問よりも、ラスターは初めて危機感を覚えていた。
「だから、現状は絶望的なんだ。俺とアルスとカインは、マナの塔へ向かう予定だけどな」
「私もいくよ? これで四人でしょ」
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