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「よし、なんだ?」
周囲の生徒が声の聞こえた方を向くと、金髪の少年が手を挙げている。
大きな吊り気味の目と額に巻いた帯が特徴的だ。
「古代魔装(エンシェント・ウェポン)について教えてください」
聞きなれない単語に生徒達が首を傾げるが、教師は理解できたのか頷いた。
「よく知っているな。古代魔装――エンシャント・ウェポン――は、己の武器をマナで作り出すことだ。その威力はただの武具とは格段に違い、自分のマナで構成するために体の一部のように感じるらしい」
その説明に生徒たちは、自分にもできるのだろうか、という期待を持ちはじめている。
そうしたら重い武器を持ち歩かなくても済むからだ。
しかし、教師は眉をハの字にして答えた。
「残念ながら古代魔装を名前の通り“古代”のものだ。これは学園に居ても取得はできないな」
「ですが、要はマナの最大量を高くすればできるんですよね。この学校には……?」
期待を胸に金髪の生徒が問いかけが、教師は首を横に振った。
「古代魔装は術式に特殊な文字を必要とするからな。マナだけでは駄目だ。扱える者は先生の知る限りでは……いないな」その言葉を聞いた生徒たちが、残念そうにしていたのは言うまでもない。
その時、授業終了を知らせるチャイムが鳴り響いた。
「今日の授業は終了だ。次のHRまでには着席しているようにな」
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