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授業後の休憩時間は《古代魔装》の話で持ちきりだった。
そんな話題を打ち消すようにチャイムが鳴り響くと、生徒たちは着席していく。
最後のHRの時間が始まった。
先ほどとは別の教師が、教壇の前に立って言う。
「一年生の諸君はそろそろ慣れてきただろう? 今日はパートナーを決めようと思う」
ぱーとなー?
その言葉に生徒達は首を傾げていた。ラスターもだ。
「先生、パートナーって何ですか」
間髪入れずに、一人の生徒が訊いた。
教師もそれを予想していたらしい。ゆっくりと頷いた。
「パートナーじゃなく師弟関係の方がわかりやすいかな。これから二年生の先輩一人と師弟関係を結んでもらう。そしてその先輩に色々と教えてもらうんだ」
二年生と師弟関係を結び、ご教授して頂くそうだ。
人見知りには辛い制度である。
教師は最後に、これは毎年の伝統行事なのだ、と付け加えた。
この制度に、クラス内はざわめくが、教師は全く気にせず歩きだした。
「では、廊下に並べ。二年生は既に体育館で待機しているからな」
そう教師が言い終わると、生徒たちは素直に廊下に整列して体育館に移動した。
制度に疑問を漏らす生徒や、先輩との付き合いに不安を漏らす生徒など様々だ。
ラスターもその一人で、髪をグシャグシャと掻き荒らしていた。
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