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王立アカデミーの教室は、授業を行う教師が一番下の段に位置し、階段のように席が並んでいる。
教壇には、筋骨隆々とした体躯を特徴とする教師が居座っていた。
ラスターは近くにいって気づいたのだが、彼は2メートルを超すと思われる。
「では、授業を始めるぞ。今日は初級魔法を完璧に使いこなしてもらう」
一部の生徒は口々に文句を漏らした。
しかしデュークが重々しく咳をすると、生徒は一瞬にして沈黙した。
彼の巨大な体躯から放たれるオーラに、勝てるはずが無いのだから。
「なんせ、長期休暇明けのテストにもでるからな」
その言葉を聞いた瞬間、ラスターは驚愕した。
そう、ラスターは完全に忘れていたのだ。
(やばっ……!)
ラスターはその場で頭を抱えた。
彼は、学園大会の成績から見れば相当優秀な生徒である。
恐らく上級生は、彼を、頭もいいし強い万能な後輩と思っているだろう。
しかし、
「さて、学園内大会にて優秀な成績を納めたラスターなら……簡単だな?」
その言葉に、教室中が笑いに包まれた。
ラスターは魔法の授業で当てられても、幾度となく「わかりません」を繰り返す生徒なのは、皆も承知だ。
「が、頑張らせていただきます……」
窓からさしこむ、ぽかぽかとした陽気に当てられているのに、ラスターは冷や汗をかいていた。
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