■戦いの幕開けと暗幕

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  一同は、下層区の商店街を抜けた先の短い階段をあがった。 そこには、円形の床があって、なにやら術式が刻まれている。 それこそが王都で使われる転送装置だ。 一同が転送装置を作動させると、アミティエの時のような感覚を味わった。 そして目が覚めると、煌びやかな上層区が目に入った。 「……すごいけど、重い」 下層区の一般住宅とは、大違いの豪華絢爛ぶりだった。 綺麗に塗装されている屋敷に、歩く人々気品が漂う服装、優雅な立ち振る舞いが目立つ。 その場の空気にラスター、リリス、リディアは圧されるが、レイナは「余り意識しなくて良いのよ」と言って歩き出した。 それから歩いて数分。 そこには、他よりも一回り大きい屋敷が立てられていた。 「ここよ」 レイナはそう言って目の前の屋敷を指さした。 ――え、これが城じゃないのか? てっきりそう思ってしまったのは、ラスターだけじゃなく、リリスもだった。 「おっきいねー」 「うんうん」 なぜか、カインとアミティエはやたら落ち着いている。 二人が貴族という話は聞いていないが、商人の息子なのかもしれないと、ラスターは勝手に予想していた。 「お話は中でしましょう。さぁ、どうぞ」
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