■戦いの幕開けと暗幕

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  「四聖の中で僕を含めた三人はマナの塔へ行き、もう一人は戦場にて指揮官を務める。なんか兵器を完成させたみたい」 あっけらかんと話すルイに、一同は警戒していた。 その真偽は、もちろん定かではない。 反論するようにアミティエが叫んだ。 「それよりも、敵国の幹部の言葉なんて信じられないよ! もしかしたら嘘を……」 「うるさい。カイン以外は口を開くな」 恐怖に、アミティエの声がぴしゃりと止まる。 その命令が絶対遵守であるかのように、一同は固唾を呑むことすら叶わなかった。 「ふふっ……僕はね……帝国なんかどうでもいいんだよ。カイン、君さえあの頃に戻ってくれれば……」 うっとりとした笑みを浮かべて、唇を歪めた。 昔を懐かしむように、視線は虚空に向けられている。 しかし、その笑顔を向けられたカインは一蹴した。 「なるほど。じゃあ、もう帰っていいよ」 先程までの真剣な表情を崩して、カインは皮肉を込めてニッコリと微笑んだ。 ――そ、そこで挑発するのかよっ!? さすがにラスターは心の中で焦っていたが、それは杞憂で終わった。 なぜなら、ルイは喜んでいる。 「役に立って嬉しいよ! じゃあカイン、マナの塔で待っているからね?」 眩しいくらいの笑顔を、"男"が"男"に向ける。   カインは相変わらず笑みを崩してはいないが、眉がヒクヒク痙攣している。 「ばいばい、カイン」 その瞬間、ルイは影に溶けていった。 アイスのように原形を失っていくなり、真下の影に解けてしまったのだ。  
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