■授業とパートナー

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  ラスターとカインが出会ってから約十分後、先ほどの教師が再びステージにあがっていた。 手には拡声器があり、それを使って話すらしい。 「パートナーは見つけたか? 今日から一ヶ月間そのパートナーと活動して貰う。練習メニューや講座内容は先輩に任せるからな。しっかりと教育するように。――解散!」 教師はそう言ってステージを降りた。   同時に生徒たちは退場して行く。   ラスターとカインも便乗するように、渡り廊下を歩いていた。 「あの、カイン先輩。どうして先輩らが後輩に教えるんですか? それも一ヶ月。内容がわからなかったら……」 普通の質問だった。 上級生からすれば、自分の勉強に遅れをとるかもしれないのだから。 そして生徒が生徒に勉強を教える。これは特殊なシステムだ。 【人に物を教えるには三倍の理解が必要】  と、言われるほどなのだから。 「お、早速質問かな。後敬語はいらない。まぁ順々に答えていくね」 カインは、待っていましたと言わんばかりに胸を張っていた。
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