42229人が本棚に入れています
本棚に追加
/709ページ
ラスターとカインが出会ってから約十分後、先ほどの教師が再びステージにあがっていた。
手には拡声器があり、それを使って話すらしい。
「パートナーは見つけたか? 今日から一ヶ月間そのパートナーと活動して貰う。練習メニューや講座内容は先輩に任せるからな。しっかりと教育するように。――解散!」
教師はそう言ってステージを降りた。
同時に生徒たちは退場して行く。
ラスターとカインも便乗するように、渡り廊下を歩いていた。
「あの、カイン先輩。どうして先輩らが後輩に教えるんですか? それも一ヶ月。内容がわからなかったら……」
普通の質問だった。
上級生からすれば、自分の勉強に遅れをとるかもしれないのだから。
そして生徒が生徒に勉強を教える。これは特殊なシステムだ。
【人に物を教えるには三倍の理解が必要】
と、言われるほどなのだから。
「お、早速質問かな。後敬語はいらない。まぁ順々に答えていくね」
カインは、待っていましたと言わんばかりに胸を張っていた。
最初のコメントを投稿しよう!