■決戦‐残留組‐

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  それから数時間が経ち、夜が明けそうだった。 しかし、アルスが帰ってこないまま、リリスとアミティエが仮眠を取っている時。 「伝令!」 突如、上に設置されているスピーカーから男の声が響き渡る。 男は焦るような声で続けた。 「最下層区の下町にて“ケルベロス”が出現した! 一つの隊では厳しい状況だ。至急、援軍を要請したい!」 その声が響くと共に、辺りが壮絶となる。 ――ケルベロスはダークドラゴンと並び、モンスターの中でも上級に位置する。 なぜ、そんなモンスターが王都に侵入できたのかが不思議で堪らないだろう 「ちぃっ! 第5隊と義勇兵は俺に着いてこい! 大至急、下町へ行くぞ!」 第5隊の副隊長が剣を掲げて、大きく叫んだ。 しかし、義勇兵の多くは恐怖に当てられて動こうとはしない。 勇ましくも30名ほどは付いたが、それでも本来はこの五倍が集まるはずだった。 しかし、一刻を争う。 兵士は進軍し、大半の人々はそれを見守った。 「私達も行きましょう」 「はぅ、もちろん!」 「そうだね。ケルベロスなら、私やリリスみたいに弱点を知ってる人が行かなきゃ」 モンスターの実力と弱点は、それを使役する二人の知識内だ。 三人はその場を離れ、下町へと向かった。
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