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「まず教える事についてだけど、俺らが内容を理解してるかの確かめだね。
基礎ができなければ魔法も何もないだろ?
基礎を再確認することで、新しい技を創る人もいるしね」
「……もし先輩が後輩に上手く教えることが出来なかったら?」
「教師に申請すれば、予備の教師が普通に教えてくれるよ。安心しな。俺は大丈夫だから」
ふふん、と胸を張るカインは笑顔を絶やさず、その発言は自信満々だった。
ラスターにも、不思議と安心感が沸いていた。
この男になら任せられるかもしれない、と。
「次は一ヶ月という期間についてだったかな。一ヶ月後に何があるか覚えているかい?」
「えと……学園内大会?」
カインは「ご名答」と言って頷いた。
「そう、学園内大会。その大会の成績と期末テストで俺らの成績が決まるんだよね。パートナーの後輩分は3割がそれに加算されるんだ」
なるほど、とラスターは頷いて、満足そうに微笑むカインを見た。
「つまりその大会に向けて先輩が後輩に色々と教え、その大会で良い成績を取れば先輩の成績が上がると!」
「ついでにテストも頑張ってもらってね」
うへぇ、と苦虫を噛んだような表情を見せたラスターに、カインは可笑しそうに笑っていた。
「んじゃ、中庭に行くよ。ツレもいるんだ」
そう言うとカインは踵を返して、奥へと足を進ませる。
カインを見失わない様に、ラスターも駆け出した。
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