■決戦‐残留組‐

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  「あはっ……、ごめんね。魔力使いすぎちゃったよ……」 それでもリディアは懸命に微笑もうとしていた。 額には汗がびっしり張り付き、呼吸も一定に乱れるのではなく、呼吸がかすれているほどだ。 ケルベロスは、その大量のマナに反応してゆっくりと向かってきている。 しかし、立ち塞がるようにリリスとアミティエは前に出た。 「リディア先輩、素晴らしいです。あとは私達が……」 「止めます!」 アミティエの言葉を、リリスが継ぐ。 その表情に、不安や恐怖の色は浮かんでいない。 むしろ得物を構え、戦おうとしていた。 「ガァァァァァァァァァァァ――ッ!!」 ケルベロスの咆哮は、空気と大地を震わせるようだった。 その強大な威圧感に、側の兵達が気圧されている。 それでも、リリスとアミティエは怖気付かなかった。 「行きます!」 負けじとリリスが叫び、地面を蹴って駆け出す。 アミティエは右腕の指輪を発動しようと、リリスと別の方向を走り出していた。  
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