■温泉

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  「いい湯だねー」 「ほんとですねー」 体から空気が抜けて筋肉の疲れが拡散する。代わりに湯の温もりが伝わっていく。   まさに極楽。 肩までつかれる湯船の端には、疲れや肩こりに効果のある天然温泉と書かれている。 カインとラスターは温泉に入り、雑談を楽しんでいた。 まだ昼であり、時間帯のせいか他の客は居ない。完全に貸し切り状態だ。 「あ、ラスターって筆記試験は何位だったの? 合格者中でね」 「……120位中103位」 「ぷっ」 「今笑いましたね。泣きますよ。先輩こそどうなんですか!」 「三位」 ラスターは、カインの発言を理解するのに数秒有した。 ニヤニヤと笑いながら、カインはラスターを見ている。 「三位……?」 「そう! 三位!」 カインは胸を張って叫ぶ。 何を言っているのだろう、この人は。 ……三位、三位ぃッ!? 「……」 ラスターはショックで開いた口が塞がらなかった。 戦闘学科はどちらかと言えば頭が悪い。 それなのに戦闘学科であるカインが、チャラチャラした感じのカインが、三位だということ。 それがラスターには不満だった。
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