■温泉

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  女湯。 そこに髪を下ろしたリリスと、アミティエが浴槽に浸かっていた。 男湯同様に貸し切り状態だ。 「アミティエさんって……」 「ん? ど、どうしたの?」 リリスの舐めまわすような視線にアミティエは思わずたじろぎ、不思議そうに小首を傾げた。 「胸が大きいですね……、羨ましいです!」 「あ、ああ……、ありがとう」 リリスは自分の胸をさすりながら、アミティエの胸と交互に見合わせた。 それに対してアミティエは苦笑いを浮かべている。 「そうだ、背中でも洗ってあげるよ」 アミティエは逃げるようにそう言うと、リリスを引っ張って無理矢理椅子に座らせた。 リリスは恥ずかしがりながらも逆らえず、アミティエのされるがままとなった。 「リリスちゃんって、敬語主体なの?」 アミティエがリリスの髪をいじりながら言った。こうして見ていれば姉妹のようだ。 「癖……だと思います」 「ラスター君には普通なのにね」 アミティエは満面の笑みを浮かべる。 それを見て、リリスも答えるように微笑む。 「はい、昔から一緒でしたから」 「大好きなの?」 「はい」 あまりにも簡単に答えたため、アミティエは目を丸くして驚いた。 しかし、      「アミティエさんも、みんな好きです!」 リリスは胸の前で手を合わせて、一寸の隙もない笑顔で答えた。 その言葉に瞳うるわせたアミティエは「可愛い~!」と叫びながら抱きついた。 最初は、ラスターを好きなのか確かめるためであったが、今は追求しないことにした。 リリスは天然だ、と思ったからだ。 一方、リリスは顔を赤らめていた。 湯中りしたのではなく、抱きつかれた事に若干の羞恥心を感じたからだろう。
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