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女湯。
そこに髪を下ろしたリリスと、アミティエが浴槽に浸かっていた。
男湯同様に貸し切り状態だ。
「アミティエさんって……」
「ん? ど、どうしたの?」
リリスの舐めまわすような視線にアミティエは思わずたじろぎ、不思議そうに小首を傾げた。
「胸が大きいですね……、羨ましいです!」
「あ、ああ……、ありがとう」
リリスは自分の胸をさすりながら、アミティエの胸と交互に見合わせた。
それに対してアミティエは苦笑いを浮かべている。
「そうだ、背中でも洗ってあげるよ」
アミティエは逃げるようにそう言うと、リリスを引っ張って無理矢理椅子に座らせた。
リリスは恥ずかしがりながらも逆らえず、アミティエのされるがままとなった。
「リリスちゃんって、敬語主体なの?」
アミティエがリリスの髪をいじりながら言った。こうして見ていれば姉妹のようだ。
「癖……だと思います」
「ラスター君には普通なのにね」
アミティエは満面の笑みを浮かべる。
それを見て、リリスも答えるように微笑む。
「はい、昔から一緒でしたから」
「大好きなの?」
「はい」
あまりにも簡単に答えたため、アミティエは目を丸くして驚いた。
しかし、
「アミティエさんも、みんな好きです!」
リリスは胸の前で手を合わせて、一寸の隙もない笑顔で答えた。
その言葉に瞳うるわせたアミティエは「可愛い~!」と叫びながら抱きついた。
最初は、ラスターを好きなのか確かめるためであったが、今は追求しないことにした。
リリスは天然だ、と思ったからだ。
一方、リリスは顔を赤らめていた。
湯中りしたのではなく、抱きつかれた事に若干の羞恥心を感じたからだろう。
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