■温泉

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  「ラスター、君は間違っている! 健全な男性ならば当然の行動だっ! そして、それを抑制することで【迷い】を生じさせている…。 戦闘に【迷い】は自分の命を落とす要因にも成り得る! 特に戦闘学科ならば、接近戦がおもだ! 接近戦で迷えばそれは死だ。 まぁ今の君にはわからなくて良い。 犯罪だと思っているのだろう? しかし、その境地を乗り越えた時……君は【迷い】を断ちきり! 自らを堕落させることで、君はより成長するんだぁッ!! 人間は深い出来事は忘れない、そして次にそれを生かす…。 堕落こそが成長に繋がる! そして経験が培った技量の差は、努力でも埋めることはできないんだぁッ!! ラスター、これがわかるかぁぁぁあ!!」 カインは顎においていた手を離して、ラスターに突きつけた。 無茶苦茶な論理だった。そもそも犯罪にかわりは無いのだから。 しかし、 ラスターは、カチッとスイッチが押されたような気がした。 頭の中のモヤモヤがキレイに消えた。 そう、彼はつまらない理屈に捕らわれて自分に素直に慣れなかった心を、浄化してくれた。 「先輩……」 「カインで良い」 「……カイン! 俺は……」 「言わなくてもわかるよ。ラスター」 そう言うと、突きつけていた手を拡げた。 「カイーーーーーーンっ!!」 涙で顔を濡らすラスターは、湯船を駆け出して勢いよくカインに抱きつく。 タオル一枚だけを装備した男二人が、しきりの前で抱き合っているのだ。
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