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カインの言う【俺の家】とは、ホテルだった。
どうやら多額の料金を払えば、長期間貸し出しが可能らしい。
不思議なホテルだな、と思いつつラスターは指定された部屋に向かった。
中に入ると、部屋は広く、個室も四つあり、キッチンから何から生活に必要なものは揃っていた。
既に二つの個室は使用されているのは当然だが、一つはシンプルに、もう一つはぬいぐるみ等がありカラフルな部屋になっている。
そこに疑問をもったラスターは首を傾げてが呟く。
「これって……」
「ああ、そっちはアミティエの部屋。こっちが俺」
「「え?」」
二人は目を丸くして驚いた。
同棲なのか、と。
不思議そうにカインは小首を傾げたが、すぐに「ああ」と頷いて微笑んだ。
「……ああ! 二人は別の部屋があるから……」
「そうじゃなくて!」
リリスが声を張り上げて、続ける。
「二人は……一緒に暮らしてるんですか?」
「「うん」」
アミティエとカインは平然と頷いた。
もともと色恋沙汰には弱いリリスだ。
ラスターの思ったとおり、リリスは「凄いです……」と呟きながら目を回していた。
「二人は恋人なんですか?」
カインとアミティエはお互いに顔を見合すと、ぷっと吹きだした。
「ないない」
「違う違う」
二人は動じることなく頷いた。
兄妹には見えないし、親戚なのだろうか。
ラスターはそう訊こうとしたのだが、カインによってぴしゃりと切られてしまった。
「まぁどうでも良いけど、色々教えなきゃいけないからリビングで話そうか」
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