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雲一つない青空。
薄い紺色の石で造られた壁に、丸く突き出た灰色の屋根によってできた建物のまわりには、多くの人々が集まっていた。
「俺……受かってるのかな?」
その中に混じっていた青髪の少年が、待ちきれないといった様子で、隣に居る栗色の髪の少女を見つめて言う。
それに対して少女は溜め息を吐きながら「そのセリフは五回目」と、少年を見つめて答えた。
少女は怒っているわけでもなく、呆れたような笑みを浮かべている。
「ラスター、心配するのは分かるけど……私に訊かれてもわからないよ?」
ラスターと呼ばれた少年の腰には二つの剣が携えられており、前髪が長めの青い髪が特徴的だった。
前髪からちらつかせる顔立ちは中性的とも言える。
「だって、俺はリリスと違って筆記は弱いからさ……」
リリスと呼ばれた少女は短剣と銃を腰に備え付けていて、栗色の長い髪を後ろで結んでポニーテールにしている。
整った顔立ちの中にも、年相応のあどけなさが見え隠れしていた。
二人は今、沢山の人々が集まり賑わっている《王立アカデミー》の正門の前に立っていた。
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