■特訓

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  四人はリビングの椅子に座っていた。 テーブルには、甘い香りを漂わせる紅茶とお菓子が置かれている。 「さて、明日から特訓を始めるんだけど、学園内大会について話そうかな」 ラスターは頷く。 一方、リリスはアミティエに「これ美味しいんだよー」とお菓子を薦められていた。 「……ごほんっ」 カインはわざと咳払いをし、二人もそれに気付いて慌てながら耳を傾けた。 「まず、大会は学園全体が参加するからね。一年生から四年生の480人が参加することになる」 王立学園(アカデミー)は各学年120名が在席している。 留年制度は特に無いが、成績があまりに低いものは騎士にも行けないため、一般職を学歴だけで合格する者もいるそうだ。 「予選リーグは乱戦で、A~Lブロックまである。そのブロックの上位二名のみが決勝リーグ。だね」 その説明にラスターとリリスは目を見開いた。 つまり12ブロックに分け、1ブロックが40人。 更に30人は自分より上級生、という計算になる。 とてもじゃないが上級生に勝てる訳が無い、と二人は思っていた。 現にそれを証明されたのだ。 「まぁ地形も変わるからね。平原だったり森だったりさ。だから戦略で勝つことも可能だよ」 地形はとても重要である。 例えば、ラスターのような接近戦が得意ならば平地は有利だが、魔工学科のリリス達にとっては障害物のある方が有利である。 だが戦力でどうになかなるような問題ではないはずだ。 「それより、上級生に勝つなんて……」 「ふふっ、大丈夫だって。毎年何人かの下級生は決勝リーグに行ってるからね。やっぱ重要なのは戦略よ」 アミティエが、ラスターの不安を打ち消すように答えた。 それを追求するように、リリスが口を開いた。 「去年は何人が行ったんですか?」 「確か、3人だったかな」 「少ないです……」 リリスは肩を落として頭を項垂れた。 そんなうなだれた様子を見ながら、カインは明るい声色で励ますのだが。 「でも大丈夫、二人ならいけるさ!」 根拠がない。 カインの励ましも虚しく、二人は既に溜め息をついて落胆していた。
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